Toru Ichikawa

市川透

陶芸家
Scroll
Toru Ichikawa

市川透

1973年 東京都出身 2011年 陶芸家 隠崎隆一に師事 2015年 岡山県玉野市で独立

個展
2018年7月Liberalism 自由主義 / 阪神百貨店 美術画廊 / (大阪)
2018年3月市川透個展 / アートフェア東京 2018 みんなのギャラリーブース / (東京)
2017年12月BIZEN / 大丸心斎橋店 桃青 / (大阪)
2017年11月consciousness / 現代美術 silver shell / (東京)
2017年4月火之迦具土 最終章 / 天満屋広島八丁堀 美術画廊 / (広島)
2017年1月火之迦具土 中編 / 岡天満屋アートスペース / (岡山)
2016年12月火之迦具土 市川透 陶展 / ぎゃらりぃ栗本 / (新潟)
2016年9月「泡沫」 / 米子天満屋美術画廊 / (鳥取)
2016年1月不退の土 / アンクル岩根のギャラリー / (岡山)
グループ展
2018年8月現代作家茶碗特集 / 日本橋三越本店 本館6階 / (東京)
2018年6月夏の美術展 / 大阪美術倶楽部 / (大阪)
2018年6月New Generation展 2018 / 文錦堂 / (岐阜)
2018年1月酒器展 / 文錦堂 / (岐阜)
2017年12月酒器展 / 日本橋三越 / (東京)
2017年12月酒器展 / 日本橋高島屋 / (東京)
2017年9月特選会 / 阪急 阪神百貨店 / (大阪)
2017年6月NEW Generation 展 2017 / 文錦堂 / (岐阜県)
2017年5月現代美術陶芸 ~今日の日本の陶芸と漆~ / Galerie Collection / (パリ・フランス)
2016年12月酒器展 / 横浜高島屋美術画廊 / (神奈川)
2016年11月ぐい呑展 / ギャラリー数寄 / (愛知)
2016年9月17周年企画展/ギャラリー数寄/(愛知)
2016年9月酒器展 2016 / 現代陶芸サロン桃青 大丸心斎橋 / (大阪)
2016年1月酒器展 2016/ 文錦堂 /(岐阜)
アートフェア
2018年3月アートフェア東京 2018/みんなのギャラリーブース / (東京)
2017年11月KOGEI Art Fair Kanazawa 2017 / ギャラリー数奇 / (金沢)
2017年5月Revelations International Fine Craft & Creation Biennial / 現代美術 艸居 /(パリ)
2017年4月Art Beijing / (北京)
入選、その他
2017年7月上賀茂神社 式年遷宮事業 黒天目茶盌「迦具土」奉納
2016年3月公益財団法人 現代茶陶展

Concept

自由を渇望する魂の叫び

熱い血が流れるような赤。スタイリッシュでメタリックな黒や金銀の光彩。その圧倒的な存在感から響いてくるのは、さながら〝自由への咆哮〟である。市川透は、備前焼をこれまで囚われてきた概念から、強烈な躍動美をもって、現代の社会と暮らしへ解放してきた。

不自由さというものを幼い頃から意識していたという市川。
「とにかく僕は自由になりたかった。生活環境や社会の成り立ちなど社会から受ける影響にものすごく不自由さを感じる状況下にあって、常に自由を求めていた」
その欲求が、形式や伝統を固くなに守ろうとする作風とは決別した、誰も挑戦したことのない制作手法や表現に繋がっているのだろう。2度目の個展のテーマとして掲げた「泡沫(うたかた)」という言葉は、水面に浮かぶ泡のように、自身の作品もまた留まることなく変化し続けていくという、自由への決意表明だった。

鮮烈な赤が印象的な代表作シリーズは、「葉隠」と銘打たれている。
かの山本常朝の著・『葉隠』に記された、あまりにも有名な「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」という一説。必ず向きあわなければならない「死」というものを意識し、覚悟することで、人は打算ではない高潔な「生」を生きることができる。朝に夕に、あらためて死に、またあらためて死ぬという覚悟によってのみ「武道に自由を得」と、常朝は綴っている。若いときから常に生きるか死ぬかの狭間をさまよっていたと語る市川もまた、生と死の緊張感を見据えることで、なにものにも束縛されない自由な魂を獲得してきたのだろう。

同時に、市川のもつ自由は、独りよがりな放縦とは違う。
「木は燃えて炎となり、燃え盛った炎は灰となり、灰となったものは土になり、土に還っていく。そういう循環がある。そういった循環の中に我々は生きている。宇宙の働きというか宇宙の真理があって、僕はそれに従っている。ある面、社会性に対しては反発していく精神はもちつつも、実は宇宙の真理に従っているという風に思っている」
市川は、東洋古来の五行(木・火・土・金・水)の相関と循環のなかに、自身の陶芸の制作工程とも通じ合うインスピレーションを得た。宇宙の大いなる営みに謙虚に耳を澄まし、大いなるものに身を従えることで、地上の些末な旧弊に囚われない自在さを手にしているのである。

外にあるものは、既に内に存在している。
自由であることの心地よさと力強さ。生きているということの熱と気高さが、私たちの前に強烈なインパクトをもって現れる。

B-OWND プロデューサー 石上賢