酒井智也
意識と無意識が往還する陶芸
陶芸家である酒井智也は、知らず知らずのうちに埋没してしまった大切な記憶を再び取り戻していくために作品を制作している。それゆえに、作品は何か感覚に訴えかけるような不思議な力を放ち、鑑賞者を引き付ける。
インターネットやSNSなどの情報革命により、私たちは日々情報のシャワーを浴び続けている。止むことなく強いられる情報の取捨選択の末、不要と判断された情報は、暗い排水溝の中へと吸い込まれていく。
しかしそれとともに、本来ならば個人を形成するような記憶さえ、気づかぬうちに何かと混ざり合い、抜け落ち、沈んでいるのではないか。
酒井は、ロクロでの制作を瞑想のようだと表現する。
ノイズが鳴り響く混沌とした頭の状態を静かに整理し、再び自己を取り戻していく行為である。
ロクロに向かって、無意識に手を動かす。
そこで浮かび上がる、抽象化・単純化された形体は、知らず知らずのうちに忘れ去っていた、何か思い入れがあったはずの景色、アニメ、映画のシーンなどのイメージ、それらが多層的に重なったものである。
陶土を通してそれらをなぞらえた身体の痕跡は、粘土の可塑性によって残され、そのひとつひとつが、作品を構築するパーツとなる。
のちに脳内に具体的なイメージが立ち現れたとき、今度は意識的にそれらを再構築することで作品は完成する。
酒井にとって制作とは、自己が何によって作られてきたかを表す象徴であり、また自己を保つ手段でもある。アーティストの生きた証拠、あるいは時代の記憶を世に提示することが、今生きているという実感へと繋がっていく。
そうして出来上がった作品は、鑑賞者にどんな影響を及ぼしていけるだろうか。
酒井は、作品が彼らにとってもまた、何らかの形で自己との繋がりを呼び起こし、埋没していた記憶を呼び起こすものであることを願っている。
B-OWND
インターネットやSNSなどの情報革命により、私たちは日々情報のシャワーを浴び続けている。止むことなく強いられる情報の取捨選択の末、不要と判断された情報は、暗い排水溝の中へと吸い込まれていく。
しかしそれとともに、本来ならば個人を形成するような記憶さえ、気づかぬうちに何かと混ざり合い、抜け落ち、沈んでいるのではないか。
酒井は、ロクロでの制作を瞑想のようだと表現する。
ノイズが鳴り響く混沌とした頭の状態を静かに整理し、再び自己を取り戻していく行為である。
ロクロに向かって、無意識に手を動かす。
そこで浮かび上がる、抽象化・単純化された形体は、知らず知らずのうちに忘れ去っていた、何か思い入れがあったはずの景色、アニメ、映画のシーンなどのイメージ、それらが多層的に重なったものである。
陶土を通してそれらをなぞらえた身体の痕跡は、粘土の可塑性によって残され、そのひとつひとつが、作品を構築するパーツとなる。
のちに脳内に具体的なイメージが立ち現れたとき、今度は意識的にそれらを再構築することで作品は完成する。
酒井にとって制作とは、自己が何によって作られてきたかを表す象徴であり、また自己を保つ手段でもある。アーティストの生きた証拠、あるいは時代の記憶を世に提示することが、今生きているという実感へと繋がっていく。
そうして出来上がった作品は、鑑賞者にどんな影響を及ぼしていけるだろうか。
酒井は、作品が彼らにとってもまた、何らかの形で自己との繋がりを呼び起こし、埋没していた記憶を呼び起こすものであることを願っている。
B-OWND
















酒井智也
- 1989年
- 愛知県西尾市生まれ
- 2011年
- 自動車部品会社 退職
- 2015年
- 名古屋芸術大学 美術学部美術学科 陶芸コース 卒業
- 2019年
- 多治見市陶磁器意匠研究所 修了
- 2026年
- 現在、愛知県瀬戸市にて工房を構える
個展
- 2026年
- 「酒井智也 世|回 SEKAI」瀬戸市美術館、愛知
- 2025年
- 「Archē」B-OWND gallery 丹青社エントランススペース、東京
- 2025年
- 「記憶標本室-In my palm-」日本橋三越本店、東京
- 2024年
- 「時をかける-Heritage-」gallery 数寄、愛知
- 2024年
- 「What're U looking for?」介末 gallery、中国
- 2024年
- 「SPIRIT POP-八百万のかたち-」阪急うめだ本店、福岡
- 2023年
- 「明晰夢」水犀、東京
- 2023年
- 「SPIRIT POP」B-OWND gallery、東京
- 2022年
- 「ReCollection」spiral entrance、東京
- 2022年
- 「酒井智也 個展」creava gallery、石川
- 2022年
- 「Connection」ロイドワークスギャラリー、東京
- 2021年
- 「作家展 酒井智也」新町ビル、岐阜
- 2021年
- 「酒井智也展」gallery数寄、愛知
- 2021年
- 「Tomoya Sakai Exhibition」Trophée Macocotte、フランス
- 2021年
- 「リビングの未確認生命体」銀座蔦屋書店、東京
- 2020年
- 「Ceramics Solo Exhibition ◯」介末 gallery、中国
グループ展
- 2025年
- 「After the Kiln」Wuhan Contemporary Art Lab、中国
- 2024年
- 「無二 現代陶芸美術展」Touch Ceramics、香港
- 2024年
- 「MIZUSAI」KAOLIN gallery、ストックホルム
- 2023年
- 「OBUJE-SEMIFUNCTIONAL FORM」backwoods gallery、オーストラリア
- 2023年
- 「秋元雄史セレクション -ブレイク前夜-」ASTER gallery、金沢
- 2022年
- 「Hidden」YTFgallery、台湾
- 2022年
- 「FREAK」YIRI ARTS、台湾
- 2021年
- 「仮想世代陶芸」Oil by 美術手帖、東京
- 2021年
- 「1000vases」super studio、フランス
- 2021年
- 「SOIL,SURFACE,SKY」clustercraft、イギリス
- 2020年
- 「Emerging Talents Online Exhibition」DAIICHI ARTS gallery、アメリカ
アートフェア
- 2025年
- 「ART TAIPEI 2025」B-OWND gallery、台湾
- 2025年
- 「Fine Art Asia HongKong 2025」B-OWND gallery、香港
- 2024年
- 「SCOPE MIAMI BEACH 2024」B-OWND gallery、USA
- 2024年
- 「ART FUTURE 2024」YIRI gallery、台湾
- 2024年
- 「ONE ART TAIPAI 2024」YIRI gallery、台湾
- 2023年
- 「Affordable Art Fair 2023」Shanghai Exhibition Centre、中国
- 2023年
- 「KOGEI Art Fair 金沢」creava gallery、金沢
- 2023年
- 「ULSAN international art fair」FINORK、韓国
- 2022年
- 「Craft Trend Fair 2022」Coex Hall、韓国
- 2022年
- 「ART TAIPEI 2022」YIRI gallery、台湾
- 2021年
- 「Craft Trend Fair 2021」Coex Hall、韓国
- 2020年
- 「KOGEI Art Fair Kanazawa」gallery VOICE、金沢
展示会
- 2026年
- 「Relational Logic — Beyond Dualism, a World Reconnected」ヴェネチア・ビエンナー レ 2026 公式サテライト企画 Personal Structures 、イタリア
- 2025年
- 「ブレイク前夜 in Yokohama」そごう美術館、横浜
- 2025年
- 「Tool or Art」B-OWND gallery 大阪・関西万博、大阪
- 2024年
- 「NEXT2024」とうしん美濃陶芸美術館、岐阜
- 2022年
- 「ホモ・ファーベルの断片」愛知県陶磁美術館、愛知
- 2022年
- 「The Postmodern Child」釜山現代美術館、韓国
- 2021年
- 「Base in SETO, TAJIMI, TOKONAME after graduate at NUA」新世紀工芸館、愛知
- 2020年
- 「愛知の工芸 2020」古川美術館、愛知
受賞歴
- 2025年
- 「第 6 回金沢・世界工芸コンペティション」入選、2017 年、2019 年入選(金沢 21 世紀美術館)
- 2025年
- 「第 11 回菊池ビエンナーレ」入選、2021 年入選(菊池寛実記念智美術館)
- 2025年
- 「愛知県芸術文化選奨」新人賞(愛知県)
- 2024年
- 「備前・現代陶芸ビエンナーレ」入選(備前焼伝統産業会館)
- 2024年
- 「第 13 回国際陶磁器展美濃」銅賞、2021 年銀賞、2014 年入選(セラミックパーク MINO)
- 2023年
- 「第 17 回パラミタ陶芸大賞展」選出 (パラミタ ミュージアム)
- 2023年
- 「第 62 回ファエンツァ国際陶芸展」入選 (ファエンツァ国際陶芸美術館)
- 2021年
- 「韓国国際陶磁ビエンナーレ 2021」入選(韓国 利川世界陶磁センター)
- 2021年
- 「国際工芸アワードとやま」入選(富山県美術館)
- 2020年
- 「2020 台湾国際陶磁ビエンナーレ」入選(新北市立鴬歌陶磁博物館)
- 2018年
- 「やきものの現在 青き精神のカタチ展」岐阜放送局長賞(gallery VOICE)
- 2016年
- 「第 71 回新匠工芸展」佳作賞(東京都美術館・京都市美術館)
- 2016年
- 「第 38 回日本新工芸展」彫刻の森美術館奨励賞(国立新美術館)
- 2015年
- 「第 46 回東海伝統工芸展」入選、2014 年、2013 年入選(岐阜高島屋・名古屋丸栄)
コレクション
- 2023年
- ファエンツァ国際陶芸美術館, イタリア
- 2021年
- 名古屋芸術大学アラムナイコレクション、愛知
- 2021年
- 利川京畿陶磁美術館、韓国
- 2020年
- 新北市鶯歌陶磁博物館、台湾
- 2019年
- ささま国際陶芸祭コレクション、静岡
プロダクト
- 2025年
- 「グランドセイコー コラボ制作」グランドセイコー表参道ヒルズ、東京
- 2023年
- 「Chupa Chups ARTCollaboration vol.11-feat. 酒井智也」チュッパチャプス
