笹井史恵
笹井史恵は、従来の漆のイメージにとらわれない、自由な造形によって現代の漆芸界の中でも独自の存在感を示している。
笹井はこれまで、一貫してフォルムと手触りを追求してきた。
彼女の手によって生み出された作品は、不思議な空想性を持った生き物の姿である。丸みのあるフォルム、エッジの効いたラインという構成的な形体によって、表面には美しい陰影が浮かび上がり、様々なシーンで多様な表情を見せる。あえて加飾を抑えたシンプルな赤漆によって、作品のフォルムと漆のなめらかな表面が際立ち、思わずさわってみたくなるような質感を実現している。
彼女が作り出す作品は、世界への好奇心に端を発する、多様ないのちのかたちである。とりわけ笹井がよくモチーフに用いるのは、種子や果実、子どもといった、丸みある若々しいいのちだ。
なぜ彼女はこのようなモチーフを作り続けるのか。それは、若い命に内在する、エネルギーと、可能性を見つめているからだろう。小さな種子がやがて大木へと成長するように、赤ん坊がやがて夢を持ち大人へと成長するように、若いいのちは未来への希望に満ち溢れている。それらが育まれていく様をやさしく見守るような視点は、笹井の作品が纏う、清らかで明るい雰囲気に表れる。笹井の作品からは、笹井が思い描く平和であたたかな世界が見えるようだ。
母親のようにやさしいまなざしで世界を見つめる笹井の手から、また今日も新たないのちのかたちがこの世に産み落とされていく。そしてそれらは、漆という、ふっくらと滑らかな質感を持つ素材によって包まれ、半永久的にその姿を残すのだ。
B-OWND
笹井史恵は、従来の漆のイメージにとらわれない、自由な造形によって現代の漆芸界の中でも独自の存在感を示している。
笹井はこれまで、一貫してフォルムと手触りを追求してきた。
彼女の手によって生み出された作品は、不思議な空想性を持った生き物の姿である。丸みのあるフォルム、エッジの効いたラインという構成的な形体によって、表面には美しい陰影が浮かび上がり、様々なシーンで多様な表情を見せる。あえて加飾を抑えたシンプルな赤漆によって、作品のフォルムと漆のなめらかな表面が際立ち、思わずさわってみたくなるような質感を実現している。
彼女が作り出す作品は、世界への好奇心に端を発する、多様ないのちのかたちである。とりわけ笹井がよくモチーフに用いるのは、種子や果実、子どもといった、丸みある若々しいいのちだ。
なぜ彼女はこのようなモチーフを作り続けるのか。それは、若い命に内在する、エネルギーと、可能性を見つめているからだろう。小さな種子がやがて大木へと成長するように、赤ん坊がやがて夢を持ち大人へと成長するように、若いいのちは未来への希望に満ち溢れている。それらが育まれていく様をやさしく見守るような視点は、笹井の作品が纏う、清らかで明るい雰囲気に表れる。笹井の作品からは、笹井が思い描く平和であたたかな世界が見えるようだ。
母親のようにやさしいまなざしで世界を見つめる笹井の手から、また今日も新たないのちのかたちがこの世に産み落とされていく。そしてそれらは、漆という、ふっくらと滑らかな質感を持つ素材によって包まれ、半永久的にその姿を残すのだ。
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